北山エリア開発構想見直しを求める府庁前パレードへの連帯のあいさつ
京都の魅力の一つは、まちなかにあって、山が見えること。
寺社仏閣の境内、庭園、古墳などの遺跡。その空間には木々が繁り、花が咲き、実を結び、鳥や虫たち、蝶を育みます。
人は、豊かな自然と共存し、美しい景観を守ることで、ほっとした空間や時間を得て、豊かな情操、命を育んできました。
ところがいま京都では、国策の下請け機関になったかのように、行きすぎたホテル誘致と、巨大アリーナ建設計画など、公共の施設を次々と閉鎖しては売却し、建築基準法さえ守らない建築物を自治体自らが音頭をとって進めようとしています。
私たち世界文化遺産仁和寺の環境を考える会は、住環境と景観、世界遺産のバッファゾーンの環境を守るために、特例のホテル建設計画を見直すようこの3年間、京都市に申し入れ、見直しを求めるアピール賛同署名に取り組み、世界遺産センターやイコモスにも訴えてきました。
また、地域の家々を訪問した聞き取り調査や署名を通して、住民と顔の見える関係を築いてきました。ですから私たちは、どれだけ多くの住民がこの計画を疑問に思っているのかもつぶさに知っています。
メディアからは「一部反対の声も」あるいは「反対派」と紹介され、とても悔しい思いをしてきましたが、今ではそれは、賛同の声が広がっている何よりの証拠だととらえています。
京都府立植物園は、市民の憩いの場、教育の場として、市民をはじめ世界中から敬愛される植物園です。北山エリア開発構想は、これまで大切に育てられた命を無残に切り捨てる計画です。14万人という署名が示しているように、心を傷めている人が内外にたくさんいます。
その声がもしも小さく扱われるようなら、むしろそれは広がっている証です。
1人の署名の背後には、もっと多くの支援者、賛同者がいることを私たちは忘れないようにしましょう。小さな生き物たちの声なき声も後押しするでしょう。
ともにさらに大きな広がりの輪をつくっていきましょう。
以上、連帯のあいさつとします。
2022年7月20日
世界文化遺産仁和寺の環境を考える会
共同代表 桐田 勝子
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